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野鳥天国

BIRD-CAFE

或る日、不図思い立って始めた鳥撮りではあるがイザ始めて見ると結構大きく重い機材を担いで歩き回る事が多くて、老人の趣味としては仲々大変で体力勝負的な面が際立つ様に思えて来た。

しかし高価な機材も多く揃えた今、気安く投げ出す訳にも行かないし、何より面白いので体力の続く限り止める積もりは無い。

何にしても年齢を考慮すれば多くは望めないので比較的身近な野鳥に的を絞って、丁寧に確り写す事に重きを置く事にした。

とは言え、例外はあるにしても相手は少しもジッとしていては呉れない野鳥故確り合焦させ、尚且つブレ無い様に写すのは仲々に難しいものがある。

しかし、だからと言ってブレやピンボケは写真の大敵、どの辺で妥協するかは難しい判断となるであろう。

若ければいざ知らず、この歳になった今では只々沢山の種類や珍しいのを写したいとは思わないし、そもそも全く興味の無い鳥にはカメラを向ける気すら起き無い。ファインダー内に捉えた個体を観てシャッターを押す気が削がれる事もある。

​それを気紛れと言うのならそうかも知れないが、それでもそこに自分也の基準はある。

特にコロナ禍の今、成る可く出掛けるのは自粛して我が身を護る事を心懸け、庭に来るさして珍しくも無い野鳥達の何気無い仕種や、今迄見過ごして来た日常をも写してみようと思う。

​御託を並べたはいいが、果たして観るに耐える写真が撮れるかどうか・・・

追記

野鳥撮影を初めて2年が経った頃・・・

年齢的にも、体力的にも多くを望んで​はいなかった所為もあり充分楽しめた様に思う。

しかし他人様と同じ様なと言うか、大して代わり映えしない写真なら幾ら撮っても然程意味が無い。

私にしか撮れない・・・と言うと大袈裟ではあるが、そんな写真を撮ってみたいものだと思った。

幸い子供の頃の鳥飼いの趣味での経験を役立て、成る可く野鳥に近付いて貌を大きく所謂「肖像写真」を撮ろうと決めた。

 

具合の良い事に手持ちのOLYMPUS ZUIKO 300mmレンズは最短撮影距離が1,4m、最大撮影倍率がフルサイズ換算で0,48倍もあるではないか。

これ幸いと早速貌を大きく撮る可く、目白や山雀の来そうな位置にブラインドを立てて内に籠った。

最短撮影距離1,4mだとフードの先端から被写体迄は約1m、手を伸ばせば届きそうな距離である。

それでも山雀なんて全く平気だし、それどころかフードに止まって興味深そうにブラインドの内を覗き込んで来るのさえ居る有様だ。

 

目白は山雀程では無いが、それでも個体に依っては然程気にする風は無いので何とか彼等の肖像写真が撮れそうな気がして来た。

 

その後OLYMPUS ZUIKO 150〜400mmズームレンズも購入し、近接撮影に縁の無かったSONY α1用にも100〜400mmズームレンズを購入した。

このレンズは最短撮影距離0,98m、最大撮影倍率が0,35倍もあるのでテレコンを装着すれば結構な倍率の撮影が出来る。

 

と、まあ以上の様な具合で3年目からは主に野鳥の肖像写真に傾注した。

とは言え、それは飽く迄我が家での撮影に限った事であり、外へ撮りに出掛けた際には勿論無理であるのは言う迄も無い。

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